離婚して8年、息子の手も離れたので婚活をし、結婚相談所で出会った男性とお付き合いを始めた50代の女性が「分別のある男女交際って?」というトピを立てていました。

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 一人暮らしの彼女の家に彼を泊めることもよくあると友人に話したところ、「分別のある交際をした方がいいよ」と言われたとのこと。これを踏まえて、「『分別がない』とはどのようなことを指されているのでしょう?」というのがトピ主さんの疑問らしいのです。

 おそらくトピ主さんの友人は、結婚前に男性を家に泊める女性を、ふしだらな女性と感じ取ったのでしょう。「あなたのやっていることは、ふしだらよ」と言いたいところを、友人でもあるし大人だし、露骨に伝えるのを避けて「分別ある交際を」とオブラートに包んで言ったに過ぎないのです。

 私が高校生の頃の生徒手帳にも「男女交際は節度を保ち分別のある行動を」と書かれていました。要するに「ふしだらなことをするな!」ってことなのです。

 それにしても、今の時代でもまだ、未婚男女がお泊まりすることを「分別ない」「ふしだらな」という感覚を持っている人たちがいるのですね。トピ主さんと同世代くらいでしょうか。

 そういった人たちこそ、むしろ「分別」を持っていただきたいと、私は思うのです。「分別」とは、「社会人として求められる理性的な判断」と辞書に書かれています。自分の価値観と違う行動をとる友人を「ふしだら」と決めつけることは理性的とは言えないのです。

 50年前は、婚前旅行すら「ふしだら」と言われていました。平安時代は夜ばいも当たり前でした。「ふしだら」の価値観なんてこんなものです。

柴門ふみ(さいもん・ふみ) 漫画家、エッセイスト。1957年、徳島県生まれ。お茶の水女子大在学中から漫画を執筆し、代表作に「東京ラブストーリー」など。働く女性や恋愛をテーマにエッセーも手がけている。