お誕生日にプレゼント、記念日に花束。慶事には、お祝いする気持ちを形に表す習慣があります。

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 好みと異なるものをいただくこともあり得ますが、なにしろ「気持ちを形」にしたものです。お気持ちに感謝し、御礼の言葉を添えて受け取るのが礼儀です。相手を喜ばせたい気持ちに笑顔で応えるのもマナー。しかし、そうは言っていられないのが昨今流行(はや)りのサプライズ演出でしょう。

 先日、「サプライズをやめさせたい!!」というトピを見つけました。トピ主さんが参列する友人の結婚式で、手作りのメッセージボードをサプライズで新郎新婦にプレゼントしようと奮闘する友人がひとり。しかし、メッセージを書くよう求められている他の参列者は、企画に乗り気ではないとのことでした。

 「それくらい書いてあげれば?」とも思いましたが、周囲の声も聞かず、ノリノリで暴走する立案者に付いていけないのだそうです。お気持ち、よくわかります。サプライズは往々にして、主客が逆転してしまうのが難点です。

 物品はまだ受け止めきれますが、少し前に流行った「フラッシュモブ」など、私にしてみたらたまったものではありません。友人と2人の会食と思い店へ向かったら、気心知れた仲間が集まって誕生日会を開いてくれた! なんて程度ならうれしいけれど、公衆の面前でいきなり友人たちが踊り出し、自分はそれを見ていなければならないなんて拷問です。踊る方が楽しいに決まっているではないですか。

 世の中には注目を浴びるのが苦手な人もいるし、自分の祝い事をテコに、周囲だけが楽しむのを受け止めきれない、私のような心の狭い人間もいるのです。

 サプライズはほどほどでお願いいたします。

ジェーン・スー 作詞家、コラムニスト。1973年、東京都生まれの日本人。「未婚のプロ」を名乗り、「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(幻冬舎)などの著書が話題に。